光学設計ノーツ 51 ver.1.1
最適化とは、そして勾配法について
光学設計における最適化とは、所謂、自動設計を指すことが多いが、前回触れさせて戴い
た画像復元においても最適の理論が適用され。今回は、現代的な光学設計にいて
様々な場面で、非常に重要な役割を果たす最適化について考えさせていただきたい。
変数の値を求めること”
22
fgAf
αϕ
+=
50-12
2
f
(
x
)
x
“対象としている
x
(
x
)
f
(
x
)=0
一つしか持たない。“
( 1)
1 2
f
(
x
)
x
0の初期値を
とる。この時に f(
x
0)=0 であればそこが極値であるが、この値が正であれば、
x
軸上の正の方向に
増加した値
x
1 。こ 、微 0
step
この様な、2 (x0,y0)として、関数
f
(x,y) 0
j
y
f
i
x
f
ff rr
+
== grad
1
で表される。曲面を表す 3次元の場合には
k
y
f
j
y
f
i
x
f
ff
+
+
== rr
grad
2
1)p. 14
( ) ( ) ( )
0
000
=
+
+
zz
y
f
yy
y
f
xx
x
f
3
偏微分した傾きにはそれぞれx0,y0,z0
沿
2 φ
2 3
くことになる。しかし地形の按配でφ4の等高線の横をすり抜けてしまう。つ
φ φ 3
(x3,y3)
つまり、∇
f
1次元の勾配法を適用、
1
2
となる。
z =
+
+3
(4) 3
,,=
+
 +3 = 0
(5)
3 =
+
+
偏微分を考えて、点(11)においては
z
=4 であって、

 = 2 +3 = 4


= 2=1


= −1
となるので、接平面の式は
4×x1+y1z4= 0
4x+yz1 = 0
z=4x+y-1
当たり前であるが、この接平面上では x y 1
考えられるので(図 1 x,y の値を、傾き 4,1 -4η -η
である。
すると次の移動点x,y)は(1-4η1-η)になる。この学習率とも呼ばれる η
(4) x,y
の値を代入すればzが η
因みにその結果として η17/26 とすると、
x,y):(-1.6150.346 z=-1.558
以降、80 -3 に近い値に収束した。η0.2(計算中一
定)とすると計算 20 回程度で z=-3 に収束する。
.
(1)
1
step
(
)
(
)
(
)
txftF
=
3
f,=
+
+3
の様な形に置けば、
(
)
n
xxx L
1
=
なる、
n
∇f = "
#
,

$
, 
&
'
x
i
にはそれぞれのステップに
おいて定数が入るので、探査過程は
t
の関数として以下の如くに表すことが出
(
)
(
)
(
)
xftxftF
+
=
6
は前項の学習率 η
x
0を初期座標
1
(
)
00 ftxtx
+
=
(7)
と考えられて、
F
(
t
)
x
(
t
)
t
で微分すると
=
=
n
i
i
i
dt
dx
x
f
dt
dF
1
8
f
0の成分を考え、(7) 1項目は消えて、
i
i
x
f
dt
dx
=0
であるので、
=
=
n
iii
x
f
x
f
dt
dF
1
0
0
ff
=
9
となる。もしこの地点で極値をとれば(9)
x
0における探査方向と、
x
における新たな探査方向を表すベクトルが互いに直
2
4. grad により表現される面法線ベクトルについて
ここで、前項で∇
f
さて、∇、もしくは grad と表されるベクトル演算子は様々なエンジニアリ
φ(x,y,z)const.
(10)
とおこう。すると、
沿 (
dx,dy,dz
) φ
φ
yyx
φ
φ
φ
,,
11
なので、変化量は
dz
y
dy
y
dx
x
d
+
+
=
φ
φ
φ
φ
12
φ
P(
x,y,z
) (10)式から dφ=0 になるので(12)
内積の性質から
(13)
したがって、
0grad = Pd
r
φ
よって、gradφ P
φ
参考文献
1) 金谷健一:これなら分かる最適化数学(共立出版、東京、2008)
(
)
kdzjdyidxPd
r
r
r
r
,,=
Pd
r
(
)
0=++
+
+
kdzjdyidxk
z
j
y
i
x
r
rr
r
rr
φφφ
pd
r
2) 今野浩、山下浩:非線形計画法(日科技連、東京、1978)
3) 高橋友刀:レンズ設計(東海大学出版会、東京、1994)