LED 照明ノーツ 41 ver.1.0
レンズ、ミラーなどの曲面の表示方法 1
<様々な回転対称 2次曲面を表示する>
今回も、レンズ、或いはミラー等における、光軸に対して回転対称性のある曲面(最も一
般的なのが球面)の光学設計や、製造に際しての汎用的な表示方法について引き続き解説さ
せていただく。具体的にコンピュータを用いて面形状を表現してみよう。
. 回転対称2次曲面
前回の通り、光軸を
軸として、原点に接し、光軸を回転対称軸とした回
対称 2次曲面を、曲率半径
r
を用いて、
41-7
41-7)式は、面頂点を原点とした座標系において、光軸からの距離、
41-8
において曲面表面上に存在する点の原点からのずれ量の光軸方向成分を表わし
ている。(1)
2
22
22
11 r
zy
r
zy
x
22 zyH
1 レンズ、ミラー面を表現する座標系
(光軸)についての回転対称な光学系の光軸を含む断面図。
軸は
x,y
に直交している
41-7式におけるは円錐係数conic termと呼ばれ、整理すれば(4)式
は、それぞれのの値の範囲に対し次の様な回転 2次曲面を表わす。
<0
=0
1>>0 楕円面(長軸が光軸と一致)
=1
>1円面(長軸が光軸と垂直)
ここで、実際に41-7式を用いて、計算してみよう。まず、ε=1の球面の
場合。
図2
この場合、有効直径 10.02mm、曲率半径 5.0mm で計算している。グラフ
の単位は mm である。次はε=0とした放物面の場合である。それ以外の諸元
は前例と同じ値である。
3 放物面
次は、ε=0.8 で、x軸方向に長軸が伸びる楕円である。
4 光軸方向に延びる楕円
そして、次はε=1.5 として、長軸が光軸と直交する楕円である。曲面表面が光
軸からの高さ 5.0mmまで達しない。
5 光軸と直交する方向に延びる楕円
そして、ε=-0.5 として、双曲面を図 6に示す。
6 双曲面 1
7はさらに極端なε=-2.5 の双曲面である。
図7 面2
放物面鏡においては、光軸に平行に入射する光束は総て焦点、一点に集光
る、楕円面鏡においては第一焦点から発した光線は、楕円面を経て必ず、第二
焦点を通過する、などの良く応用される性質がある。双曲面の場合には、やは
り焦点は二つあり(図 8第一焦点に向かって双曲面で反射された光線は第二
焦点に向かうのである。この性質は近年の集光光学系等にも利用されている。
8 曲面の性
2. 参考文献
1) 松居吉哉:レンズ設計法(共立出版、東京、1972
2) 草川 徹:レンズ光学(東海大学出版、東京、1988
3) 牛山善太:シッカリ学べる!照明系・投光系光学設計の基礎知識
2018