照明ムラで困ったら≪レンズ拡散板≫シリーズ3.透過照明装置へのレンズ拡散板の応用

透過照明光源の面均一性はLED自体の発散パフォーマンスが継承される訳であるが
LEDとレンズ拡散板面を若干離すことにより一様な分布を得ることができる。
下の写真では右下のようにLEDを2列ライン状に並べてある。左上はその上にレンズ拡散板を配置したものであるがLEDのドットが消え、面光源となっていることがお解りいただけるであろう。
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この方式はマシンビジョン用透過照明光源としての採用例も多い。
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照明ムラで困ったら≪レンズ拡散板≫シリーズ2.レンズ拡散板の機能と特徴

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上の写真は照明ムラのある光源である。上中の写真は照明ムラのある光源の前面に5度拡散するレンズ拡散板を配置した写真である。
照明ムラのある光源で見られた中心部の中抜け状態が改善され全体が一様になっている。
分布はガウシアン状になり中心部の照度は高く、周辺部ほど低くなっている。
写真を見る限り明るさはほぼ一様である。
この照度分布に付いては後半に記載する「照明シミュレーションソフトによる検証」の項目で詳しく述べる。
更に10度、20度、30度(右上写真)と拡散度の高いレンズ拡散板を配置すると照明範囲は比例して大きく照明できる。
この様に照明光をある一定距離に於ける必要とする範囲、照度及び必要とする面内均一性を予め定め、もっとも適したレンズ拡散角の角度を選択する事により、広げすぎず、照度を保ったまま必要な部分だけを照明することが出来る。
もちろん広げた分だけ単位面積当たりの照度は低くなるが必要範囲外には拡散させないことを考えると非常に効率的であると言える。
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照明ムラで困ったら≪レンズ拡散板≫シリーズ連載開始

始めに、LED照明装置は現在、室内照明、店舗照明、舞台照明などの一般照明を始め、検査用照明、FA一次元/2次元センサ用照明、コピー/ファックス読取用照明、バーコードリーダ照明、顕微鏡照明などあらゆる光機能機器に光源として組み込まれている。
このLED照明装置には従来の光源と比べ小型、軽量、低電圧/電流、長寿命など多くの利点がある。しかし同時に照明器具としてみるとワイヤーボンディングの影、パーケージ内チップの位置ズレ、レンズによる色収差など照明器具としては多くの欠点も抱えている。
これらの欠点を解決するに有効なレンズ機能拡散板による照明ムラ解消法について12回シリーズで掲載する。

「実践LEDスクール」にて「光の原理とLED照明」を講習。 9月15日(水)

(株)オプティカルソリューションズ 代表取締役社長 関 英夫が 9月15日より開催される≪実践LEDスクール≫の講師に選ばれました。
実施は開校日当日の9月15日(水)第二講義です。
タイトルは「光の原理とLED照明」とし光の性質、光学設計上の光源の考え方、レンズによる集光、照明系のタイプ、拡散板による照明ムラの解消などです。
参加希望者は直接 一般社団法人 LED光源普及開発機構にお申し込みください。

光が反射する時、その反射する面の形状により反射形状が異なります

光が透過しない面に当ると反射します。反射にはそれぞれ反射面の形状により反射の状態が違いますのでそれぞれ呼び方が異なります。
Diffuse、Mirror、Glossyとそれぞれ反射形状がことなることは知られていますが これらのDiffuse、Mirror、Glossyを合算した反射としてBRDFが評価法として注目されています。

レイリー散乱とミー散乱の違い

散乱に付いて質問を受けましたのでその違いを簡単に記載します。
光が波長より充分、小さな反射粒子(例えば波長の1/10)に当った時に 散乱光は波長の影響をうけます。青空が青いのも太陽光が微細な粒子に当たり、青い光が赤より折り曲げられて地上で見る人には、晴天の空を青く見せます。これをレイリー散乱(Rayleigh scattring)と呼んでいます。
もし 粒子が波長より充分大きい場合、光は粒子に当っても波長依存性がないため白く見えるのです。霧やスモックが白く見える現象です。これは便宜的にミー散乱(Mie)と呼ばれています。ミー理論は多くの場合、物体の大きさが数μ程度から100μ程度の大きさに用いられています。大気中の水滴のほか、媒質中の粒子などによる散乱の解析に用いられています。
また これらの中間の大きさは共鳴領域と呼ばれて光学設計時に充分、検討が必要な領域です。
詳しくは これから実施する当社主催の光学設計講座でお教えします。

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光産業は日本の基幹産業であるはずですが なぜか下請けになっている

光技術は多くの電子機器の重要な要素となっています。例えば液晶テレビ、デジカメやスキャナー、DVD、光通信、レーザーメス 手術灯など 枚挙の暇がありません。日本が世界をリードしている製品群です。これらの機器から光部品を抜いたらただの箱です。
これらの機器に光学技術や光学部品を供給しているのが光産業です。しかし提供しているのが 技術或は部品であるため電機メーカーの下請けの地位に甘んじています。しかし それらを取りまとめ機能を付加している電機メーカーに多くの利益が集まります。しかし 新しい光学機能を提供している化成品メーカーも光産業の一員と考えれば 高い収益を上げています。我々のような光学業界と呼ばれる企業も大いに見習うべきと思います。光を波動として捉え、位相や偏光を考慮した新しい光学へ進むべきです。ましてや 光として利用するには従来培った光学設計技術が重要であることは変わりないのですから。

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