フラットパネル・ディスプレーの最新開発動向

光交流会 第227回オプトフォーラム
光交流会 代表幹事 関 英夫
「フラットパネル・ディスプレーの最新開発動向」(20周年記念事業第七弾)レポート
今やフラットパネル・ディスプレー(FPD)産業は、経済を牽引する代表的な産業の一つと言え、このFPD製造にオプトメカトロニクス技術が大きく貢献していることもよく知られているところである。
そこで、新年を飾る講演会としてFPD産業の実情に大変詳しい、FPD専門誌「イーエクスプレス」の副編集長、川名弘康氏に「フラットパネル・ディスプレーの最新開発動向」と題して、ご講演を願った。興味深いテーマであり、新年早々の講演会とあってか会員外の方々も聴講を希望され多数の参加者で盛況な講演会であった。
今年のFPD産業における各国メーカーの総生産予測は、10.4型以上を対象にしただけでも、4億4,770万枚が見込まれている。これは昨年度実績:3億7,950万枚に対し18%増である。
用途別では、TV用:26%増、モニタ用:12%増、ノートPC用:14%増と見込まれている。
TV用における08年の主力サイズは32型から40/42/46型へと大型化する傾向にある。
このため、基板素材などは従来サイズより更に大きなサイズが必要とされる。当然のごとく製造設備はより大型化され、特に基板の搬送ロボットの大型化が要求されている。液晶パネルの製法にも変化が見られ、液晶封入工程がセルの大型化に対応するため、従来の真空による吸入方式から滴下方式に変わっている。
LCDの変遷するPRポイントが紹介された。04~05年は色の再現性、05~06年は調光制御によるハイコントラストと省電力、07年以降は薄型化に拍車がかかっている。このためLEDを用いたバックライトが出現してきた。メタルコアの片面PCBにRGB三色のLEDを配列し、空間距離を持って混色させ白色とする最新のバックライトが紹介された。また、RGB三色のLEDチップを多面導光ミラーと拡散シートなどを小さなパッケージに収め、これを方眼に配列したユニークなバックライトも紹介された。リサイクル光を有効に用いるためにCCFL用の反射板と拡散板の中間位置にマイクロレンズを置き、マイクロレンズと反射板の中間位置にRGB三色LEDを配列した構造のバックライトも紹介された。三色のLEDチップに代わって、青色LEDでRGの2色の蛍光体を刺激して、青色発光色と励起色を合わせて混合白色とするタイプのバックライトが、70型の大型に用いられている。従来のCCFLタイプのバックライトも薄型化されている。例えば、32型のサイドライト方式では、薄さ12mmを実現している。これは、管径3mmのCCFLを四方に各3灯づつ、計12灯使用しており導光体を通すのでバック照明としてムラがない。しかしエリアコントロールは不可である。
山口東京理科大学で開発された世界最速液晶ディスプレーとして、強誘電性液晶が紹介された。4型(800×600画素)においての応答速度は、0.5msである。これはTNよりも3桁も早い高速応答性とメモリー性の2つの特性を持っている。また、無欠陥配向で、コントラストは700:1である。RGBバックライトを用い、CFは使わない。同様の強誘電性液晶タイプでUVキュアブル液晶材料を用いたものは、同画素数でのコントラスト比800:1となるものもある。
他には大型液晶画面として、シャープ52型の説明があった。52インチと大型にもかかわらず、その厚さは2センチ、コントラスト比は10万:1と優秀である。今年度中に製品化される見通しであると、最新情報が披露された。
LCDタイプに続いて、リアプロジェクタータイプの大型TVの仕組み、偏光メガネやレンチキュラーを用いない、ヘッドアップディスプレータイプの3D映像装置の仕組みが紹介され、大いに興味深かった。
紙面の都合上、講演内容のすべてを紹介させていただくことが適わず残念であるが、豊富な資料を使っての盛り沢山な内容に、光技術に高い関心を抱く当会会員たちにとっては、大変面白く有意義な内容の講演であった。
ご講演いただいた、川名弘康氏に紙面より改めて感謝申し上げる次第である。
代表幹事:関  英夫
担当幹事:吉村 泰信

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