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レーザースキャンと光MEMSスキャナ

第229回光交流会オプトフォーラム
光交流会 
代表幹事 関 英夫
自社技術紹介
「レーザースキャンと光MEMSスキャナ」
講師:エーエルティー株式会社 代表取締役 高野 裕氏
3月のオプトフォーラムは会員企業であるエーエルティー株式会社代表取締役高野裕さんに同社の中心技術である「レーザースキャン技術」に付いて講演いただきました。
レーザースキャン、レーザースキャニングとはレーザーをガルバノミラーやポリゴンミラーを用い高分解能、高速走査するアプリケーションの総称です。レーザープリンターを始めとする民生機器や印刷機 或いは光計測に応用されています。
講演の後半ではこの原理を応用した超小型センサー、ヘッドアップディスプレー、網膜型ディスプレーなど光MEMSスキャナの応用例をいろいろご紹介いただきました。またシリコンは弾性披露がなく長寿命であることも驚きでした。
自社製品として走査ビーム径計測システム、fシーターレンズ特性検査システム、fシーターレンズ外観検査システムを始めとするオリジナルセンサ群のご紹介や 光MENSスキャナーではfシーターレンズではなくアークサインレンズを用いる事など新しい情報を講演いただきました。
本講演を聴けなかった人には残念ですがたくさんの新しい情報を充電させていただきました。
文責 関 英夫

我が社の技術・製品発表会

第228回光交流会オプトフォーラムは3月第20回通常総会と併せ2月20日開催されましたのでレポートを報告いたします。
光交流会 代表幹事 関英夫
第228回 オプトフォーラムレポートは新企画「我が社の技術・製品発表会」と題して会員企業、オーエムジー株式会社、東芝テリー株式会社、興栄化学株式会社の3社によって、自社の得意とされる技術や製品について各社熱意あふれる発表をしていただいた。以下発表順に紹介したい。
「オーエムジー株式会社」 発表者:堤 高志氏
1943年戦時統合により設立され、戦後眼鏡ガラスの製造を始め創業65年を迎える。
プラスチックの眼鏡レンズが出現したことから、1970年前後から先代(父親)社長がフイルター硝子の製造を始めた。この頃より自分も一緒に仕事をはじめたが、均質な硝子を溶解することが難しく、クレームを受けるたびにコンプレックスに陥り、これを克服するために大変苦労をした。その甲斐あってか大手写真用フィルターメーカーの受注生産を始めることとなった。その後、光学ガラスのモールド成型技術を確立し生産を始めたことから、5年前に光学ガラス工業会に入会した。
経営方針として特殊硝子に特化し、屈折率を正確に管理することを掲げて実行してきたことで顧客の評価を得ている。近年カスタムメイドの硝種も次第に増えている。
光学ガラスのモールド製品の生産は、自社で開発した成型装置で行っている。自社開発による設備であることから日々改良を加えて完成度の高い設備に仕上がっている。
遠近両用眼鏡レンズの従来品は貼り合わせていたが、モールド成型では接合の必要は無く、形状精度±5μ以内で金型成型が可能となった。従来の研削方法では難しいところを克服したことになる。
光学用低融点硝子3種の特許出願中である。これらの硝子はモールド用、研磨用、ともに適用可能な硝子材料であり、プラチナ溶解炉を使用している。用途としては、高精度の照明系レンズ(例:リアプロジェクションタイプTV)、空港滑走路照明灯などに応用されている。レンズサイズはΦ40~100mmくらいを守備範囲としている。
また非球面形状でφ100近い大きさのレンズもモールド成型後にほんの少し磨くだけで、3μ以内の形状精度が得られる。これを「さらっと研磨」と称している。品質管理には、社内に高性能な検査測定機器を取り揃えているが、外部機関に測定を依頼する場合もある。
100社ほどの大阪眼鏡業界が30社余りとなり業界が縮んでいく中で、小規模ながら特許を取得した自社ブランドの製品を扱うことは意義あることで「ものづくりにおいて違いがある」ことを感じている。また、地域業界の活性化にも貢献できていると思っている。
最後に、「こんなものがお前のところで出来ないか」と声を掛けてほしいと、堤社長の熱の篭った発表であった。
記録者:吉村 泰信
「東芝テリー株式会社」 発表者:斉藤 清氏
当社は1950年に東芝より分離した東京電子工業株式会社が前身。その後、2004年10月に東芝通信システム株式会社の監視カメラシステム事業部を統合して、現在の東芝テリー株式会社に社名変更を行った。資本金:2億6000万円、従業員数:380名である。
主たる事業は、産業用エレクトロニクス機器システムの開発・設計・製造・販売を行っている。当社の特徴は、 ● FA用カメラのリーディングカンパニーである。
● 国内最大の販売網を有している。
代理店網:国内=18社、総拠点数=188拠点、海外代理店=12社(欧州・アジア)
● FA市場の高いシェアー。
● 競合他社に類を見ないカメララインナップの充実
● 新技術・新商品開発力と信頼性。
● ユーザー要求への個別対応力。
● 周辺関連主要メーカーとの連携(レンズ/照明/ボードなど)
製品群別に、3事業部門で構成している。
● セキュリティー&監視カメラシステム機器
● マシンビジョン&メディカルイメージング機器
● メディカル&プラズマ電源機器
営業戦略は下記の方針を掲げ、提案営業を展開している。
● 半導体・電子機器産業以外の市場開拓推進→シリコンサイクルの影響を受けにくい体質。
● FA市場シェアー拡大およびユーザー数の拡大→産業用カメラ市場でNO,1の地位を保持、提案営業の推進によるユーザー数の拡大。
● 戦略商品の早期拡販→ドラゴンシリーズ(デジタル出力カメラ)、単板3層CMOSカラーカメラ、他。
● 事業グローバリゼーションの推進→日本/アジア・米州・欧州の世界三重点市場での事業体制構築、シェアーの拡大。
FA市場で日本一を誇る「Teli」ブランドの特徴。
● ハードおよびソフト全てについて産業環境に整合した設計と確認を実施しており、高い信頼性を実現→多彩な外部同期モードや電子シャッター機能。(高画素・高フレームレートによる連続撮影、高速な伝送インターフェース、外部制御通信モード、高い耐振動性/耐衝撃性など)
● CCD,光学部品、電源系統のキー部品の高グレード品の採用。
● 長期安定商品提供と仕様書に対するギャランティー。
● 手厚いユーザーサポート。
当社が誇るスマートカメラは画像処理機能付のカメラで、電子部品実装業界、半導体製造業界、FPD製造業界、その他一般業界の目視検査に代わり、自動で外観検査・画像計測・位置決め・3次元測定などを行う画像処理付きカメラである。
その他、画像処理用のカメラは、文字検査やロボットの視覚センサーにも広く用いられ、その画素数は33万~500万画素までと種類も多い。また、インターフェースもデジタルとアナログが選べ、カメラヘッドとCCUを分離したタイプや一体型など種類を取り揃えている。
斉藤氏の「わが社の技術・製品」紹介は、会社の技術に誇りをもたれた特機営業担当者として相応しい熱のこもった丁寧な解説であった。斉藤氏に続いて、マシンビジョン&メディカルイメージング事業部、岡茂男理事から会社紹介の補足説明があった。また、岡理事は、日本インダストリアルイメージング協会(JIIA)の代表理事も務められ、光交流会に入会された経緯の説明がなされた。JIIAは大変活発な活動をなされている団体であり、光交流会はお互いに講演会などで情報交換の交流を図っていきたい。
以上
記録者:吉村 泰信
「興栄化学株式会社」 発表者:朝倉 耕治
当社は、バブル全盛期より高付加価値を求め多品種少量生産を方針とし、「より多く、人・物・設備・分野の新結合!」を理念として、完全カスタムメード生産を行っている会社です。取り扱い品種は多数を極め、顧客より守秘義務を求められている為、この場では十分発表できない点もあります。
フォト・エッチングを主に、硝子基板加工、蒸着、写真、エッチング、メッキ、印刷の各技術を集合一体化させた総合技術が、当社の誇りとする保有技術です。
防衛庁向けを初めに昭和32年から行われたこのフォト・エッチングは、各種光学製品内の特殊部品を加工する為の技術であり、部品加工技術としては非常に特殊な分野に属すると思います。
需要先も多岐に渡り、継続的取引は88社であり、このことは売り上げの安定化に繋がっています。
当社では、金属膜、ITO膜、多層金属膜、誘電体多層膜、難エッチング膜(チタン・タンタル)、金属板等を精密エッチングしています。
上記膜形成には、抵抗加熱、スパッタリング、イオンプレーティングの内最適な蒸着方を選択し、フォト・エッチングの全加工工程を社内で行っています。
製品としては、医療、測定器、顕微鏡、スコープ内の各種スケール、スリットとして、またカメラのレンズ検査に用いる解像力チャートなどがあります。
新製品の中には開発期間が短く、顧客にご迷惑を掛けない為、80%以上の完成見込みが立たない場合、受注をお断りする場合もあります。
記録者:朝倉 

フラットパネル・ディスプレーの最新開発動向

光交流会 第227回オプトフォーラム
光交流会 代表幹事 関 英夫
「フラットパネル・ディスプレーの最新開発動向」(20周年記念事業第七弾)レポート
今やフラットパネル・ディスプレー(FPD)産業は、経済を牽引する代表的な産業の一つと言え、このFPD製造にオプトメカトロニクス技術が大きく貢献していることもよく知られているところである。
そこで、新年を飾る講演会としてFPD産業の実情に大変詳しい、FPD専門誌「イーエクスプレス」の副編集長、川名弘康氏に「フラットパネル・ディスプレーの最新開発動向」と題して、ご講演を願った。興味深いテーマであり、新年早々の講演会とあってか会員外の方々も聴講を希望され多数の参加者で盛況な講演会であった。
今年のFPD産業における各国メーカーの総生産予測は、10.4型以上を対象にしただけでも、4億4,770万枚が見込まれている。これは昨年度実績:3億7,950万枚に対し18%増である。
用途別では、TV用:26%増、モニタ用:12%増、ノートPC用:14%増と見込まれている。
TV用における08年の主力サイズは32型から40/42/46型へと大型化する傾向にある。
このため、基板素材などは従来サイズより更に大きなサイズが必要とされる。当然のごとく製造設備はより大型化され、特に基板の搬送ロボットの大型化が要求されている。液晶パネルの製法にも変化が見られ、液晶封入工程がセルの大型化に対応するため、従来の真空による吸入方式から滴下方式に変わっている。
LCDの変遷するPRポイントが紹介された。04~05年は色の再現性、05~06年は調光制御によるハイコントラストと省電力、07年以降は薄型化に拍車がかかっている。このためLEDを用いたバックライトが出現してきた。メタルコアの片面PCBにRGB三色のLEDを配列し、空間距離を持って混色させ白色とする最新のバックライトが紹介された。また、RGB三色のLEDチップを多面導光ミラーと拡散シートなどを小さなパッケージに収め、これを方眼に配列したユニークなバックライトも紹介された。リサイクル光を有効に用いるためにCCFL用の反射板と拡散板の中間位置にマイクロレンズを置き、マイクロレンズと反射板の中間位置にRGB三色LEDを配列した構造のバックライトも紹介された。三色のLEDチップに代わって、青色LEDでRGの2色の蛍光体を刺激して、青色発光色と励起色を合わせて混合白色とするタイプのバックライトが、70型の大型に用いられている。従来のCCFLタイプのバックライトも薄型化されている。例えば、32型のサイドライト方式では、薄さ12mmを実現している。これは、管径3mmのCCFLを四方に各3灯づつ、計12灯使用しており導光体を通すのでバック照明としてムラがない。しかしエリアコントロールは不可である。
山口東京理科大学で開発された世界最速液晶ディスプレーとして、強誘電性液晶が紹介された。4型(800×600画素)においての応答速度は、0.5msである。これはTNよりも3桁も早い高速応答性とメモリー性の2つの特性を持っている。また、無欠陥配向で、コントラストは700:1である。RGBバックライトを用い、CFは使わない。同様の強誘電性液晶タイプでUVキュアブル液晶材料を用いたものは、同画素数でのコントラスト比800:1となるものもある。
他には大型液晶画面として、シャープ52型の説明があった。52インチと大型にもかかわらず、その厚さは2センチ、コントラスト比は10万:1と優秀である。今年度中に製品化される見通しであると、最新情報が披露された。
LCDタイプに続いて、リアプロジェクタータイプの大型TVの仕組み、偏光メガネやレンチキュラーを用いない、ヘッドアップディスプレータイプの3D映像装置の仕組みが紹介され、大いに興味深かった。
紙面の都合上、講演内容のすべてを紹介させていただくことが適わず残念であるが、豊富な資料を使っての盛り沢山な内容に、光技術に高い関心を抱く当会会員たちにとっては、大変面白く有意義な内容の講演であった。
ご講演いただいた、川名弘康氏に紙面より改めて感謝申し上げる次第である。
代表幹事:関  英夫
担当幹事:吉村 泰信

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