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光化学的表面改質接着、薄膜技術と石油代替エネルギー金属ナトリウム

光交流会第244回 光交流会オプトフォーラム
講演会
第一部「プラスチックの光化学的表面改質を利用した光学材料の接着やコーティング」
第二部「石油の代替エネルギー金属ナトリウム」
講 師:村原 正隆先生(東京工業大学 特任教授/ 東海大学名誉教授)
光交流会は1988年に設立された「光」をテーマとした交流会です。所属する企業の規模や業態に関係なく、立場や利害を超えて出会い、語らい、学び合う場です。人々の交流が光産業の発展を通じて環境にやさしく、高品質な社会の創造に役立つよう念じています。
光交流会 
代表幹事 関 英夫
担当幹事 竹谷和芳
6月のオプトフォーラムは 光交流会アドバイザーをしていただいている東京工業大学 特任教授(東海大学名誉教授)村原 正隆先生に第一部「プラスチックの光化学的表面改質を利用した光学材料の接着やコーティング」第二部「石油の代替エネルギー金属ナトリウム」と題して講演をお願いしました。
第一部UV光の光化学的性質を利用してプラスチック表面の所望場所に、目的とする官能基を置換し、その材料固有の性質を生かしたまま表面露光部のみ性質を変える方法、(1)蛋白質が着き難い眼内レンズを例に、蛋白質付着制御処理方法、(2)耐熱性・耐水性・紫外線透過性を満たす接着とコーティングについて、シリコーンオイルの性質と光接着の原理、接着方法、光化学反応の推移、有機シリコーンオイルを無機ガラスに変化させ、世界初、応力歪みも気泡も殆ど無い接着強度18MPAの光学部品室温接着法を解説いただきました。
第二部では地球の温暖化現象を直視〈Co2排出“ゼロ”を目指し再生可能で持続可能な社会を創る〉二酸化炭素も放射線も出さない燃料資源〔海水〕洋上風力や潮流から得られた電力を用い、その場に在る海水を原料にして、金属ナトリウムを製造、副産物として真水、苛性ソーダ、塩酸、硫酸、水素、酸素などを製造、これらを、消費地で電力や工業原料に環境に優しく再生可能で資源戦争の無い世界を作ろうとする構想を紹介していただきました。
OEPA20090713
“風力よ”エタノール化からトウモロコシを救え「村原 正隆先生、関 和市先生共著パワー社」では第二部の詳細と村原先生が資源工学を学ばれた中でレーザー工学を本職とされるようになったきっかけなどが著されています。
村原先生には先端技術から地球環境、食料問題など世界各国で講演なさられているご多忙の折、貴重な講演をいただき厚く御礼申し上げます。
文:竹谷 和芳

自己混合半導体レーザを用いたセンサとその計測応用

光交流会第241回 光交流会オプトフォーラム
講演会『自己混合半導体レーザを用いたセンサとその計測応用』
講 師:篠原茂信氏(静岡大学名誉教授 工学博士)
光交流会 
代表幹事 関 英夫
担当幹事 吉村泰信
まず、半導体レーザを用いたレーザセンサの概要と特徴について述べられた。
用いるレーザセンサは1個のパッケージに発振光源と受光素子がともに内蔵されている。レーザから出射した光が物体で反射し、再びレーザに戻り内部の光と混合させることで光の周波数と強度が変調される現象を自己混合(Self Mixing)と呼び、この働きを持つ素子を自己混合半導体レーザセンサと呼ぶ。
この呼称は篠原先生が命名されたものでポピュラーではないが学会においてはすでに認識されている。
 
パッケージ内のフォトダイオードが光パワーの時間変化を検出して得られる電気信号を自己混合信号という。
この自己混合信号を使って速度の絶対値や正負の同時測定が可能となることからSM-LDドップラー速度計を考案された。
SM-LD速度計の特徴は「非接触測定が可能、光学系がきわめてコンパクト、軽量且つ安価」である。
速度の正負の判定は発振したノコギリ波の戻り波形の形をオシロ画面上の変化で判断が出来る。波形の山が左に傾いている場合は接近中・急上昇・緩下降を表し、波形が逆に右に傾いている場合は離反中・緩上昇・急降下を表す。
ドップラービート信号の近似解析により、離反・接近の判断とその速度が測定可能となった。この自己半導体レーザ速度計の延長線上に振動計の開発が実現できた。
 
ノコギリ波の上下のどちらか半分は半波長の変異であり、ノコギリ波の個数を速度の正負に応じて加算することで、振動計が生まれた。これについてはシステム外略図とドップラービート波形振動変位波形の復元原理図でもって説明がなされた。
続いて振動計に於ける複雑な振動波形の測定例と自己混合型レーザ振動計:LZB-05が紹介された。
自己混合型半導体レーザセンサの応用その3として、移動物体の三次元距離画像計測の実用化について、距離・速度計の説明がなされた。SM-LD距離・速度計の基本構成から、そのデータ検出方法、距離・速度算出式の解説がなされ、三次元距離画像計測の概要と特徴が下記のように述べられた。
SM-LD距離・速度計におけるレーザビーム光をスキャナで二次元走査することで移動物体の三次元距離画像を測定できる。
平面画像のみを測定するCCDカメラに比べて、本提案では測定した距離と速度から奥行き情報を測定できることが特徴である。
測定距離は約10cmから2m程度(レンズ系の設計を工夫すると、約5m程度までは拡張できる) 距離の測定精度は、停止物体では1mで±1.5mm。移動物体では1mで最大±10mm。
また移動する四角柱や球体は、近づく場合や遠ざかる場合の測定結果の説明なされた。
更に、自己混合型半導体レーザセンサの応用、その4として二重共振器を用いた精密変異計について、応用その5としてレーザスペックル速度計について説明がなされた。レーザスペックル速度計の概要が以下のように述べられた。
相対速度の測定
ドップラー効果が出ないように、レーザ光垂直照射による、平板内移動速度測定
(擬似)スペックル信号とは、表面のスペックル・パターンが移動するので戻り光の位相と強度変化を生じ、この結果変化した光強度を電気信号に変換したもの。
スペックル信号の周波数は、理想的には、速度に比例するが、実際は周波数対速度の直線には、オフセット周波数がある。
人体の手、指で血流速度の相対変化を測定。
→スペックル信号の周波数と体内の血流速度との構成直線が課題
レーザドップラー速度計による血流測定では、レーザ光の入射角は速度ベクトルに対して傾ける。
レーザスペックル速度計についてスペックル信号検出の原理、スペックル信号波形のモデル図、そしてヒトでの血流測定結果、メダカの血流測定結果、実測と理論の比較、レーザドップラー血流の測定例などについて詳しく述べられた。
中でもメダカの血流定量化の測定実験(尾鰭の部分にレーザ光を照射して、200倍実体顕微鏡画像でレーザスペックルの観察と同時に反射・散乱光のスペックル信号をFDで計測する)といったところの解説は実に興味深いものであった。
篠原先生のご研究は、一般的なLDやPDを用いた比較的簡素な装置でありながら、レーザ発振とその反射の周波数のとらえ方で、物体の速度・振動・変位・距離などの計測を可能とするものであり、すでに特許の出願や取得もされており実用化されている。
 
大変魅力的なご研究であり、聴講者一同は大変興味深く聴講させていただいた。篠原先生にはご遠方よりお越しいただき、大変有意義なご講演をいただきましたこと、改めて聴講者一同に代わって心より感謝を申し上げる次第である。
文:吉村 泰信

わが社の技術・製品発表会、情報交換会

わが社の技術・製品発表会、情報交換会
光交流会第21期通常総会及び第240回 光交流会オプトフォーラム
『わが社の技術・製品発表会』/情報交換会/懇親会
光交流会
代表幹事 関 英夫
担当幹事 朝倉耕治
今回は、初めての試みで「情報交換会」を30分行いました。
小グループに分かれて、お互いの会社の業務内容などの自己紹介を行いました。顔は見知っていますが、案外会社内容については知らないものだなあと思いました。
業務内容から、社会情勢までいろいろな話題がかわされるなかで、人脈が広がり、ビジネスチャンスが得られれば、と思います。今後も続けて行きますので、話題を準備して是非ご参加ください。
毎月行われているオプトフォーラムは、光交流会の使命である情報交流のメインであり、その中でも「我が社の技術・製品発表会」は半年に一度定期的に行われる重要な催しでは有りますが、2月は総会月に当り充分な時間配分が行えず、結果として殆ど質問時間が取れなかった事が残念でした。
最初に御発表頂いた中原基博博士は、長年NTT電気通信研究所にて光ファイバ用母材の製造研究に従事し、世界を代表するVAD法を開発した中心人物であり、そのキャリヤを生かしたコンサルティング業務を主たる活動として設立されたのが㈱中原光研究所ですが、具体的な案件を多数列挙されたにも拘わらず、その内容は守秘義務の為聞く事が出来ませんでした。
ブッシュからオバマへの政権移行は企業に何をもたらすのか?⇒大企業からベンチャーへ...など聞いてみたかったなぁ~。後半は、石英製品の紹介となりました。
次の発表者レボックス㈱も去年8月入会のニューフェースです。
発表者鎌田社長は北海道生まれの北海道育ちだとか。
御自分の生い立ちや卒業後の経歴を熱っぽく、土っぽく力説されるその姿が、御自身のポリシーと会社のポリシーを重ね合わせながら同時に紹介するという、非常にユニークな講演形式でした。
LEDを主な光源とし、回路設計により電気制御を得意とするエレキよりの企業で、今までは建築関係の事例が多かった様です。
最後のKIプレスさんは会員ではありませんが、無理を言い講演を御願い致しました。
表題は「上手な販売促進のやり方」ですが、内容はBtoBにおける販売事例であり、大変珍しい内容でした。
 
講演者に直接聞くと、全事例とも実際に自分で足を運び集めてきた事例だそうです。講演最後に、「リピート倍増事例集」上妻英夫著を宣伝されていました。
企画部担当:興栄化学(株) 朝倉耕治(記)

最新のカメラおよびレンズ事情

第239回 光交流会オプトフォーラム
講演会 『最新のカメラおよびレンズ事情』
光交流会 
代表幹事 関 英夫
担当幹事 吉村泰信
年初めのオプト・フォーラムは、写真技術研究家の市川泰憲氏(元写真工業出版社、編集長)をお迎えして、「最新のカメラおよびレンズ事情」と題してご講演をお願いした。
会員の皆さんの中にはカメラ愛好家が多いことから、写真用カメラ研究者として第一人者である市川氏にご講演をお願いした。市川氏は話し方の上手な方でリクエストも多くあったことから新年に際して再びご講演をお願いした次第である。
講演は、わが国光学会の貢献者の一人である小倉磐夫先生(元東大名誉教授・千葉大教授)の著書「最新カメラとレンズ技術」についての紹介から始まった。
小倉先生は朝日カメラの「ニューフェース診断室」ページにレギュラーで執筆しておられたことから、懐かしく聴講された方も多かったに違いない。マミヤやキャノンのEOS-1VとニコンF6が対照的に紹介され、海外ブランドではライカのバヨネットマウントを用いたカメラや2008年のフォトキナで発表されたデジタルカメラのライカM8が紹介された。
 
このカメラはレンズフランジ面を介して64通りの情報を伝達できる機能を備えている。聴講者が最も興味あるデジタル一眼レフカメラの解説は、ニコンD3、ニコンD60について、この2機種はクロススクリーンの効果フイルターを必要とせず画像に同効果を施せる機能や、背景のサチっている部分をアーク化する機能を持ったカメラである。
 
リコーGf200は、湾曲収差の補正ができるON/OFF切り替え機能を有している。高画素数一眼レフのカメラについて、キャノンG10、ニコンD700(1210万画素、APS-Cサイズ、ISO6400相当感度)、同じくニコンD90(1210万画素、ISO3200相当感度、ハイビジョン動画機能を備えている)、キャノンEOS500(1510万画素、APS-Cサイズ、ISO3200相当感度、レンズ周辺光量補正機能を有している)、キャノンEOS5D-MarkⅡ(2110万画素、フルサイズC-MOS搭載、ISO6400相当感度、ハイビジョン動画可能、レンズ周辺光量補正可能)そしてソニーα900(2460万画素、フルサイズC-MOS搭載、ISO3200相当感度)、など次々と高級デジタル一眼レフカメラの紹介があった。
パナソニックのルミックスG1は一眼レフカメラ特有のペンタプリズムとクイックリターンミラーが無くなり、ライブビユー・ファインダーに取って代わっている。これでは一眼レフとは言えない。やはり「ファインダーは光学的にピタッと見るのが一番であり、光学ファインダーは大切にした方が良いと思う」とのお話に、我々光学屋は大いに納得できた。続いて興味深いところで、ニコンD3x(2450万画素、フルサイズ)やライカM8の交換レンズなど、高級機の説明がなされた。ライカM8のズミルックスM21mm、f=1.4、このレンズには1g当り銀より高い値段の硝材が使用されている。
 
またタングステンライト照明での撮影はあずき色を帯びるため、色補正フイルターが必要である。ライカS2はコダックのCCD素子を用いている。富士フイルムのGF670プロフェショナルは6×6と6×7のフイルムサイズが切り替えることができ、フォーカシングには蛇腹を使っているなど、専門家ならでは知りえない話も聞かれた。
市川氏の盛りだくさんな解説に加えて、たいへん熱のこもった話し方に、このたびも聴講者一同大いに満足した次第である。カメラ専門誌の編集長から写真技術研究家として、ますますお元気でご活躍いただけることを切に願って、市川氏に改めて心から厚く御礼を申し上げる次第である。

光ファイバーによる映像信号の伝送 、光ファイバー伝送の特徴

第238回 光交流会オプトフォーラム
講演会:第一部:光ファイバーによる映像信号の伝送
   第二部:光ファイバー伝送の特徴
講 師:池田弘明氏 有限会社池田電子工学研究所代表取締役(元静岡大学工学部教授)
この講演会は、2007年11月に光交流会と浜松地区知的クラスターとの交流展示会がご縁で実現したものです。
池田氏は静岡大学工学部在職中に光ファイバーを用いた映像信号の伝送技術のご研究をされていました。本研究は20年ほど前から始められており、当時としては通信技術の先端をいくご研究であったと思われます。
講演は一部「光ファイバーによる映像信号の伝送」と二部「光ファイバー伝送の特徴」で構成され、先ず第一部では、光ファイバー伝送の特徴を次のように述べられた。
○ 比帯域が大きい:100MHz
○ 長距離伝送が可能である。
○ 周波数特性が広く無調整。
○ LEDで容易にアナログデータの伝送が可能。
○ パルスFM変調方式の適用が容易である。
信号発信の光源にLEDを用いた中部電力との共同実験では、その距離を12Kml設定したが充分満足できる結果を得た。試算想定で30Kmまでは可能であると判断している。
テスト結果によりLEDは短距離通信に有利であると言える。また、LEDを用いる場合の特徴として、ファイバーの種類を選ばないこと、少しくらい反射があってもレーザーのようにうるさく問わないといったことがあげられる。
SWFM/PFM変調方式と周波数スペクトルの関係やアナログ映像信号用光伝送システムの基本構成についての詳しい説明があり、まとめとして次のことを述べられた。
○ 映像信号の伝送が容易で劣化がまったくない。
○ 10Km間での距離はケーブル特性を気にしなくても良い。
○ NTSC映像伝送の実験について、LEDでもHDTV伝送が可能である。
○ 汎用性があり、他の応用展開が可能である。
○ アナログ信号をある程度増幅してデジタルに変換して伝送する方がよい。
第二部では主観評価に基づくNTSC映像信号のパルスコード化帯域圧縮方式について、パルスコードの生成についてなどを詳しく述べられた。
画像評価方法として、20人の視覚者が5段階方式で評価する方法がとられている。画像の解像度は前後の画像を加算して2で割ったデータを基準評価値とするなどが述べられ、興味深いところであった。
二部のまとめとして次の説明があった。
○ 産業用の製造データ伝送が用意である。
○ デジタル化しているので伝送途上での映像品質の劣化は全くない。
○ レーザーカッターのカッティングモニターとして実験的に使用できる。
○ LEDを使用しているので、目に対する危険性がない。
SWFM/PFM変調方式と周波数スペクトルの関係やアナログ映像信号用光伝送システムについての内容は余りにも専門的であり、光学業界の者にとってはとても難しい内容であった。
報告者:吉村

光学技術の変遷

光交流会第232回 20周年記念フォーラム
第四部 演題 「光学技術の変遷」
    
講師: 辻内 順平 先生 東京工業大学名誉教授
日本の光学技術の基礎を作られ方として著名であり、また光交流会アドバイザーとして長年に渡り光交流会の活動をご指導いただいております辻内 順平先生に「光学技術の変遷」のタイトルで講演いただきました。
先生の長年に渡る光学技術分野のご活躍の中から抜粋いただいた講演は物理学に於ける最古・最重要な位置を占めていた古典光学世代から第二次世界大戦以後のエレクトロニクスの進歩を前提としてレーザーの出現、精密加工技術の発展を踏まえた光学技術の第一世代、コンピューター技術の導入による第二世代、そして革命的発想の導入による第三世代と過去から未来技術までを網羅した圧倒的な内容でした。
 
特に第三世代(2)に於けるディジタルカメラに於ける撮像素子、Low Pass Filter、画像処理技術に関するお考えや 近接場光学、回折理論による分解能の制限、Evanescent波の検出、光学現象のSimulationなど また第三世代(3)では新しいレーザー加工、高度通信技術、回折光学技術など多岐に渡り貴重な講演いただきました。
また 日本のみならず世界の光学関連学会の動向と現状を短い時間内に紹介され、これらの多大な内容を纏められた辻内先生の講演には大いに驚かされました。改めて会員一同感謝申し上げます。
その後、行われました光交流会創立20周年記念パーティには多くの会員と共に当会のサポーターの先生方を始め多く方々にご参加いただき、多くの方々より貴重なお言葉をいただきました。
紙面の関係で一部の方々しか記載できませんが 日本光学会幹事長谷田貝先生、東京農工大学教授大谷先生、千葉大名誉教授本田先生、一色先生、三縞先生、鶴田先生、牛山先生、井上先生、小柳先生 写真工業市川さん(順不同)他、大勢の方々にご参加いただき会員との交流が大いに盛り上がりました。感謝申し上げます。
文:関 英夫

光学薄膜の使われ方

光交流会第232回 20周年記念フォーラム
第三部 演題「光学薄膜の使われ方」
    
講師:鬼崎康成氏 東海光学(株) 薄膜事業部 事業部長 当会会員
光交流会 会員を代表して東海光学 薄膜事業部 事業部長 鬼崎様より「光学薄膜の使われ方」に付いて講演戴きました。
いろいろな光学機器や部品に使われ、常に脇役的存在で普段ほとんど注目されてない光学薄膜にスポットライトを当て、どのような機器にどの様な目的で使われているかをご紹介戴きました。
ご列席戴きました数々の高名な先生の前で、また大御所 辻内順平先生の直前の講演と言う事で、ご本人から「恐れ多い」との発言も賜りましたが、「耳を澄ませてごらん 光の織りなすメロディーがきっと貴方にも聞こえるでしょう♪」とユーモアたっぷりに始まり、終始会場の関心を集めていました。
光学薄膜の基礎から実際のアプリケーションまで、ご講演の内容は幅広く・わかり易く具体的で、会員及び参加者にとって大変参考になるものでした。
また、愛知万博への展示など自社の紹介も忘れずに盛り込まれておりました。
文:蜂須賀 政幸

農業分野における光技術の応用

光交流会第232回 20周年記念フォーラム 
第二部 演題「農業分野における光技術の応用」
講師:岩井万祐子氏 光産業創成大学院大学院生、(株)ホト・アグリ 代表
具体的にはLEDを用いた植物栽培についての報告でした。浜松市内に実験農場を構え試行錯誤の毎日のようでした。その成果の一部なのでしょう、サラダ用の野菜を出荷したところ大変な好評をもってまたたくまに売り切ってしまったという報告には思わず拍手を送りたくなりました。ビジネスとしての見通しを、少しずつでも確かなものにしていけるようこれからの努力と幸運を願わずにはいられません。なお、当日の聴講者のなかに農文協の方がいらしており、翌日に簡単な感想を送っていただきました。岩井さんの励みになればと思い、それを掲載します。
普段はあまり話題にならない世界ですが、農業の世界でも「光」は注目されており、LEDの利用も報告にあった機能性の向上だけでなく、病害虫防除、開花時期の調節、寡日照期の収量の大幅アップ、鮮度保持などでの効果が認められており、研究がされているだけでなく実際の利用も広がっております。
昨日は、特に機能性の向上への着目と、その事業化ということでしたが、それなりにおもしろく聞きしました。全面展開にはコストが問題になっているようでした。電気代は安くて済むらしいので、設備投資にかかるのだと思います。
ともあれ、ああいう若い人(その前の方も含めて)が、意欲的に取り組んでいるのはいいですね。
文:高木 貢一

起業実践による光産業創成

第232回 20周年記念フォーラム
光交流会は創立20周年を迎えたことで、昨年7月より1年間の記念の年として活動を行ってきている。6月はその最終月にあたることから光学の各界より4人の講師を招いて盛大に開催した。以下、各講師と講演内容を4回に分けレポートする。
第一部 演題「パイフォトニクス(株)~起業実践による光産業創成~」
講師:池田貴裕氏 光産業創成大学院大学 パイホトニクス株式会社 代表
学生企業家の池田氏の講演は、所属される光産業創成大学院大学についての説明から始まった。当大学は、テーマを光に絞り、その無限の可能性を糧として新たな産業を起こす事ができる人材を要請すること、つまり企業そのものが教育の第一目的として、浜松フォトニクスが中心となり創設された。
また、学則の第一条(目的)が「光産業創成大学院大学は、光と生命体、物質、情報等とのかかわりに関する学理と知見を基礎に置きつつ、光の発生、変換・制御、利用に関する最先端技術を駆使し、光の各種機能を連携・融合、さらにそれらの技術と経営の融合に関する研究開発を教授研究し、その信奥をきわめ、新産業を自ら実践しうる人材養成を行うことを目的とする」と紹介された。中でもこのユニークな大学の「仕組みと位置づけ」、理事長の晝間氏が提唱されている「ヒルマ・リング」についての説明があった。その後、池田氏ご自身の当大学に入学され、パイホトニクス㈱を起業された動機と経緯について語られた。
池田氏はホログラフィーをコア技術とされ、新開発の「定量位相顕微鏡OPMシステム」および「ホログラム用照明装置:ホロライト」現在ご研究中のテーマであると将来に向けて志しておられる豊富などが、短時間の中で多くの内容が語られ、まさに若き学生企業家のエネルギッシュな講演を聞かせていただいた。
文:吉村 泰信

良い音を楽しむ、電気、振動、光技術の応用

第231回 光交流会オプトフォーラム
光交流会 
代表幹事 関 英夫
担当幹事 高木貢一
講演会:「良い音を楽しむ、電気、振動、光技術の応用」
講 師:相島 彰徳 先生
今回はオーディオの話です。相島先生みずから会場に機材を運び込み、実際に音を聞きながらの講演となりました。音を楽しみながら専門の話を交えていく手法に、最後まで興味が尽きることはありませんでした。楽屋落ちとなりますが、フォーラム開始に先立つ試運転で最初に出た音がマイルスのマイファニーバレンタイン、これにはしびれました。どう考えてもマイルスを容れるはずのない空間で、構えて聞くというより聞こえてきたという意外性がその主たる理由だとは思いますが、同時に音質のすばらしさもその理由であったに違いありません。たまたま同じCDを持っておりますが、家で聞いてもこうまで“しびれる”ことはありません。
機材の選定にあたっては、制約上小ぶりのシステム構築となったのはやむを得ないのかと思いきや、相島先生の狙いは、むしろ良い音とは必ずしもシステムの大きさに依存しているわけではないことを示す点にあったようです。たとえば用意されたスピーカーは一升枡をふたつ重ねた程度の大きさですが、これがなんともクリアで、そしてふくらみのある豊かな音を出すのです。もちろんアンプ、プレイヤーなど他の機器の性能も関係しているのでしょうが、得られたソースの良さを裏切ることなく出力し直すのは実力あっての結果でしょう。ただしこのスピーカーセット、36万円ぐらいとのことでした。これでは気軽に音を出すわけにもいかず、かわりにため息が出るばかりです。
良い音の環境を作り出すにはさまざまな条件があるのですが、比較的見落としがちなのが振動対策ではないでしょうか。今回の機材のなかでも、アンプ、プレイヤーの足を特殊な合金(制振合金)に付け替え、またCDを上から押さえ込むように専用のディスクを重ね、さらにその上から制振合金で固定するという念の入りようです。振動対策は専門的な知識がなくともある程度は処置できそうですが、とはいえそのための費えがこれまたお安くない。単なるオモリとしかみえないものでも1個数万円とのことでした。
20代にオーディオブームを経験した団塊の世代が定年を迎え、趣味の復活としていままたオーディオが見直されつつあります。今回もその世代と見受けられる方が多かったようでした。いまのところは潜在的オーディオファンだとしても、まもなく顕在化するのではないでしょうか。事実、量販店のオーディオコーナーには相応のスペースが確保されるようになってきており、また特筆すべきはマニアの目指す方向が高級志向にあることです。ミニコンポは若者にゆずっても、本格的オーディオに関しては強烈無比の団塊パワーが控えているとあっては、これからのオーディオブームの発展は大いに期待できそうです。
そんな背景のもと、フォーラム、懇親会、ともに30名以上の出席者とその熱気に支えられ、時間の不足だけを惜しむ一日となりました。その中でも懇親会場で、グラス片手の質問攻めに大忙しの相島先生が印象的でした。

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