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39.部分的コヒーレント結像の考え方 9

光学設計ノーツ39.部分的コヒーレント結像の考え方 9
transmission cross-coefficientについて
部分的にコヒーレントな状態における結像を考える上で重要なtransmission cross-coefficientの考え方について、今回は触れさせていただきたい。
導出についての座標、光学系配置、変数については前回におけるものと同じである。換算座標で書き直した図1をご参照いただきたい。
1.transmission cross-coefficientの導出
ここで、物体面上の複素コヒーレンス度を考えると、本連載第32回(11)式より、
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株式会社タイコ 牛山善太

38.部分的コヒーレント結像の考え方 8

光学設計ノーツ38.部分的コヒーレント結像の考え方 8
部分的コヒーレント光学系の結像式について
これまで扱ってきた部分的なコヒーレンシーの概念を導入する事により、より一般的な結像の表現、定式化が可能となる。
ここではその重要な表現手段について解説させていただく。
図1のような結像系を考える。
左からインコヒーレントな一次光源面S:座標(xs,ys) 、透過物体面:(X’,Y’ )、結像光学系入射瞳面、射出瞳面:(x,y)、像面:(X,Y)である。
  
ここで、光源面と物体面のコヒーレンス度の間にはファン・シッター-ツェルニケの定理によりフーリエ変換の関係があり、フーリエ変換内の指数関数は、2平面の距離をD,物体面上の2点間の距離を∆X’、∆Y’として本連載33回(16)式より・・・
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3.散乱について考える。小さな物質に光が当たるとどうなるか3

LED照明ノーツ3.散乱について考える。小さな物質に光が当たるとどうなるか3
散乱とはある定まった方向に進行する光束が物質にあたり透過、あるいは反射されてその進行方向を細かく分岐させる現象を言う。
一般的に我々の視覚的世界に対する物質形態の認識、色の認識はこの散乱光による場合が多い。
この散乱という現象の分類について今回はまとめさせていただきたい。
1.物体が大きい場合の散乱
散乱現象は散乱される物体の大きさにより、その波長特性が異なる。
物体が大きい場合(mm オーダー)には、反射・散乱は幾何光学的に行われる。
反射・屈折の原理が支配する。
一般的な虹の解析等は比較的大きなサイズの水滴に対し、幾何光学の理論を適用して可能である。
次第に拡散物体が小さくなり、波長に近づくと回折現象の影響が大きくなり光線は物体を取り囲む様に散乱される。
後述するように波動光学的、或いは電磁光学的理論が必要となってくる…。
2.レーリー散乱
3.ミー散乱
4.その他の光散乱・ラマン散乱
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37.部分的コヒーレント結像の考え方 7

光学設計ノーツ37.部分的コヒーレント結像の考え方 7
部顕微鏡の照明による解像力の変化
今回は、物体を照らす、顕微鏡の照明系のあり方により、コヒーレントに照明される物体領域が変化し、対物レンズによって得られる物体像の解像力が変化する様子を解説させていただく。 
光学設計と部分的なコヒーレント結像の考え方を最も顕著に結びつける部分でもある。
1.臨界照明法
物体平面上の近接した2個のピンホールを考え、それらが臨界照明法(図1)により照明される場合の、光学系(対物レンズ)による結像について、レーリーの解像限界を用いて検討してみよう。
図1に示すように、S、O、O’をそれぞれ光軸に直交して存在する光源面、コンデンサーレンズ主平面、物体平面(ピンホールが存在)とし、物体面上のピンホールをP1(X1,Y1),P2(X2,Y2)とする。一般的に物体面上における光源の像(2次光源)の大きさは、光源点の点像のエアリーディスクより遥かに大きい。
本連載35回(20)式の状態である。本連載33回で検討した如くに、この様な場合には物体面における複素コヒーレンス度は、コンデンサーレンズの射出瞳にインコヒーレントな光源が存在する場合と等しい。
さて、これらのピンホールにおける複素コヒーレンス度μ12については、コンデンサーレンズの収差が存在しないと仮定し、開口面領域がそう大きくなければ、ファンシッター・ツエルニケの定理より・・・。
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36.部分的コヒーレント結像の考え方 6

光学設計ノーツ36.部分的コヒーレント結像の考え方 6
部分的にコヒーレントな照明領域での照明系の収差の影響
今回も部分的にコヒーレントな照明、結像について考えさせていただきたい。
インコヒーレントな領域での照明形の収差について考えた前回の続きとなり、今回は部分的にコヒーレントな照明光学系の性質について考えさせていただきたい。
1.照明光学系による部分的コヒーレント照明
本連載前回と同じように半径ρの円盤光源Σの半径ρ’の像Σ’が光学系Lにより得られている。
この時、開口絞り面上の点を通過する光線の、入射瞳、射出瞳座標上における対応点をP1、P’1、そしてもう一組P2,P’2とする。
本連載前回、(35-19)と(35-20)式、(像面上のこの照明光学系による点光源像におけるエアリーディスク半径をr’Aとして)
照明光学系の射出瞳全体がコビーレントな状態・・・
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35.部分的コヒーレント結像の考え方 5

光学設計ノーツ35.部分的コヒーレント結像の考え方 5
コヒーレントな領域、照明系の収差の結像への影響
今回も部分的にコヒーレントな照明、結像について考えさせていただきたい。
今回は光源と被照明面の間に照明光学系が存在する場合の、より照明系としては一般的な状態を扱う。
照明光学系の収差の影響についても言及する。
これまで暫くの間、解説させて頂いてきた部分的なコヒーレント結像論には一般的な光学設計的理論とは趣が異なり、確かに取り付きにくい面もあるが、式間のコメント等も増やしてよりご理解いたたき易い様に心がけた。
エンジニアリングにおいては、わかり易い説明、秩序立てというものは本質的に重要なものである。
1.照明光学系によるコヒーレント照明、インコヒーレント照明
図1にある様に光軸に対して回転対称な系を考える。
本連載前回と同じように半径ρの円盤光源Σの半径ρ’の像Σ’が光学系Lにより得られている。
この時、開口絞り面上の点を通過する光線の、入射瞳、射出瞳座標上における対応点をP1、P’1、そしてもう一組P2,P’2 とする。
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34.部分的コヒーレント結像の考え方 4

光学設計ノーツ34.部分的コヒーレント結像の考え方 4
Hopkinsの公式について
今回は前回における式を用いてコヒーレントに照明され得る領域、また均一空間において考えられたファン・シッター-ツェルニケの式を、様々な伝播状態の想定出来る表現へと拡張する。
1.コヒーレントに照明される領域
ここで、光源Σが光軸を中心とする半径ρ、面積Sの一様なインコヒーレントに発光する円盤であるとすれば、光源から軸上距離Z離れた平面上の点Q1’(X’ 1,Y’1)、Q2’ (X’ 2,Y’2)における複素コヒーレンス度μ12は光源強度のフーリエ変換の形として本連載33回(16)式 ・・・。
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33.部分的コヒーレント結像の考え方 3

光学設計ノーツ33.部分的コヒーレント結像の考え方 3
点光源を仮定すれば、コヒーレンスの問題は時間的コヒーレンスに集約される。この場合、前節で取り上げた、光源の周波数分布特性E(ν)が複素コヒーレンス度μ12に影響を及ぼす。
また、電球のフィラメントの様に、光源がそれぞれ、タイミング的にばらばらに光波を発する微小光源により成り立ち、インコヒーレントな面積を持つ時、この様な光源の広がりも、μ12に影響を及ぼす。この影響は空間的コヒーレンスと呼ばれる。
ここでは光源の強度分布とそれによる被照明面(2次光源、或いは照明されている被写体と考えても良い)におけるコヒーレンシーの関係について解説させていただきたい。
1.ファン・シッター-ツェルニケの定理
ここからは、この空間的コヒーレンスを取り扱うために、時間的コヒーレンスの良い光源を仮定しよう。
つまり、準単色光源の集合により光源面が形成されているとする。M個の微小光源(点光源)の集合と考えられる、準多色光源の中心各周波数をω0、とする時、図1にある様に、光源面上の点Smから放射される光波による受光面上の点Q1‘(照明されている、被写体、2次光源 と考えることも出来る。)における、時刻tでの複素振幅は、これら2点間の距離をL1mとして、球面波の進行を考え・・・
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